あなたは突然、SSDが読めなくなったらどうしますか?
私は実際に、その状況を経験しました。データ復旧の見積は、約20万円。しかも「この金額でも復旧できない可能性があります」という回答でした。
この記事では、まずやってはいけないこと、復旧費用の実額、業者に聞くべきことをお伝えします。
※ 今まさに困っている方は、次の見出しだけ先に読んでください。
まず、やってはいけない3つのこと
私が最初にやってしまったのは、あわてて差込口の変形を整えようとしたこと。そして、何度も抜き差しを繰り返したことでした。
後で知ったのですが、これが一番やってはいけないことでした。
同じ状況の方に、先にお伝えします。
1. 端子や差込口を触らない・抜き差しを繰り返さない
「もう一度つないだら読めるかもしれない」と、つい何度も試してしまいます。変形が気になって、直そうとしてしまうこともあります。
けれど、端子を曲げ直そうとすると、内部の接続を切ってしまうことがあります。また通電するたびに機器の内部では処理が動いていて、読めない原因が内部の不具合だった場合、繰り返すほど状態が悪くなり、あとから業者でも取り出せなくなることがあります。
1〜2回試して読めなければ、そこで止めて外してください。形が気になっても、そのままにしておくのが正解です。
2. 初期化・フォーマットをしない
パソコンにつなぐと「このドライブは使用できません。フォーマットしますか?」と表示されることがあります。
ここで「はい」を押してはいけません。押した時点で、残っていたデータの手がかりが消えてしまいます。
修復のためのメッセージのように見えるのが、いちばん怖いところです。私は押しませんでしたが、焦っていたら押していたと思います。
3. 新しいデータを書き込まない
読めなくなった機器に、別のファイルを保存したり、復旧ソフトをその機器の中に入れたりしないでください。
データは、見えなくなっていても中に残っている場合があります。そこに新しいものを書き込むと、残っていたデータの上に重なって消えます。
復旧ソフトを試すなら、必ず別の場所にインストールしてから使ってください。
SSDが突然読めなくなった日
3月 5日(木)、突然SSDが読めなくなりました。
慌ててネットで検索し、データ復旧について調べ、すぐに電話。5件ほどお電話しましたが、受付の対応はさまざまでした。中には不安を煽る業者もあり、私はパニック状態に陥りました。
ほとんどは丁寧に事情を聴いてくれるものの、返ってくる言葉は同じでした。

「データをすぐに送ってください。復旧が可能か、診断とお見積をいたします」

今すぐには、分からないんですか?
そう聞き返しても、答えは変わりません。
今必要なデータを手元から手放すことができず、頭はますますパニックに。
そもそも、なぜこうなってしまったのかはこちらに書いています。
しかし、そこで突きつけられた現実は…💦
データ復旧業者5社に電話して分かったこと
- どこの会社も、最初は金額を言わない
- 診断結果が出るまで数日〜2週間かかる
- 「大切なデータを今日中に送付してください」と急かされる
最低5万円、上限は無制限
やっと聞き出せた金額が「下限でも5万円、上限は無限です」。ほとんどの会社が、同じ回答でした。
その言葉に、正直、頭が真っ白になりました。
焦りと絶望
とはいえ、これ以上、今の私にできることはありません。ただ少しでも冷静になり、行動することしかできませんでした。

二次診断を申し込むと、どうなるのか
メールには、二次診断の判定が3段階に分かれると書かれていました。要点をまとめると、こうなります。
| 二次診断の判定 | 費用 | キャンセル |
|---|---|---|
| 「物理・中度」の損傷で、復旧できると判断 | 198,000円(税込) | できない 自動的に注文扱いになる |
| 「物理・重度」の損傷で、復旧できると判断 | 198,000円を超える (別途見積り) | できる 料金は発生しない |
| 復旧できないと判断 | 費用なし・機材は返却 | できない (そもそも申込自体が成立せず、無料で返却) |
一番驚いたのは、1段階目です。
損傷の度合いが「中度」で、なおかつ「直せる」と判断された時点で、キャンセルはできません。金額を見てから決める、ということができないのです。
つまり「20万円払えば必ず戻る」のではなく、「戻るとしても20万円から」ということ。
私は、可能性に掛けることも考えましたが、
「この金額でも復旧できない可能性があります」という一文の重さが、ここで分かりました。
元の形には、もう戻りません
もうひとつ、覚悟が必要だったことがあります。
二次診断では、必要に応じて基板からメモリチップを取り外して調べます。そして、取り外したチップは基板に戻せません。分解されたままの状態で返却される可能性がある——そう説明されていました。
だからこそ、こちらが「はい」と答えない限り、分解作業は行われない仕組みになっています。
回答期限は、メールが届いてから2週間。
データが戻る保証はないまま、20万円を払うのか。それとも、すべて作り直すのか。
その二択を、2週間で決めなければなりませんでした。
費用対効果と心情|葛藤した数時間
- 修復不可のリスク回避
結局できなかったときの、最悪のケースを避けたい - 絶対厳守の締め切り
年度末の資料をまとめる期日までに間に合わせたい - 確実性の確保
期限内に、資料を確実に完成させたい
ここで私は、覚悟を決めました。
すべて作り直す覚悟
この1年間の事業報告。細かなデータをすべて、一から作り直す必要がある状況。さらに、月末の事務処理も迫ってきます。
ほぼ諦めながらも、ひとつずつ作成を始めていました。
業者に依頼する前に確認したい4つのこと
各社の対応は、まったく違いました
- 取引先の運送会社に引き取りを依頼するので、早急に送ってください
- 金額は、聞いても答えてもらえない
- 最低でも5万円はかかると教えてくれた
- 自社へ持ち込んでもらえれば、査定の時間を最短にします
- 持ち込んでもらっても、修復は難しいと思われます
メーカーに持ち込んで救われたこと
一番安心できたのは、メーカーでした。
再度問い合わせを行い、翌日、レッスンの合間をぬって持参。そこでもう一度、話を聞くことにしました。
冷静な対応に救われた
焦る私のペースに乱されることもなく、落ち着いたトーンで、忙しい中を丁寧に対応してくださいました。
恥ずかしいやら、情けないやら。それでも私は、少しずつ落ち着きを取り戻すことができました。
依頼せずに済んだ理由|古いバックアップの探し場所
古いデータはいくつも出てくるのに、一番新しいデータが見つからない。
「そろそろバックアップしなきゃなぁ」と思っていた矢先の出来事でした。
何時間も、これまでの保存データを探し続けました。ありとあらゆる引き出しを開け、自宅に持ち帰っているもの、過去の写真や動画を保存しているハードディスク。すべて開けて探しました。
そして、ついに見つけました。
2024年6月のバックアップデータ。
たまたま、自宅で作業するために保存していたUSB。その中に、フォルダが残っていたのです。
もう諦めていた、最後のUSBでした。「まさか、ここには…」とあきらめかけたその時に、見つかりました。
そこからの再構築
安堵するのもつかの間。そこから、必死に作業を進めました。
計算式を入れ直し、データを再構築。3月の数字を入れれば完成だったデータは見事に消えていましたが、基礎が残っていたことが救いでした。
3月末まで、あと約2週間。なんとか平常に戻すため、急ピッチで作業を進めました。
同じことを防ぐバックアップの作り方
今回のことで決めたのは、次の3つです。
- コピーは3つ持つ
元のデータ、外付け、もう1つ別の場所。2つでは足りませんでした。 - 媒体は2種類に分ける
USBとクラウドなど。同じ種類だと、同時に壊れることがあります。 - 1つは離れた場所に置く
自宅と教室、あるいはクラウド。持ち出す機器は、まとめて失う可能性があります。
私を救ったのは、たまたま自宅作業用に保存していたUSBでした。意図せず「別の場所」にあったから、残っていたのです。

その時、使用していたUSBメモリーカード
まとめ|データは守ってこそ価値がある
毎日使うからこそ、大切なデータはまめに更新してバックアップしておく。
「まだ大丈夫」は通用しません。私が、そうでした。
そしてトラブルが起きたときこそ、焦って触らないこと。この記事の最初に書いた3つを思い出してください。
今すぐ、バックアップ環境を整えることをおすすめします。
そもそも、なぜこんなことになってしまったのかはこちらに書いています。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。


